X脚に要注意!重い体重が有利なスポーツ
体重が重い方が有利とされるスポーツ、またはポジション。
その代表はラグビーのプロップ、アメリカンフットボールのディフェンス、またはオフェンスのラインでしょう。
あるいは、相撲、柔道、レスリングなどの格闘技も確実に有利です。
これら身体のコンタクトが重要なスポーツ・ポジション、あるいは、物質にパワーを伝える野球、重量挙げ、ハンマー投げなどのスポーツに於いても、体重が重い方が有利なのは間違いありません。
ただ、強いコンタクトやパワーを重視するあまりにウエイト過多、そして、X脚になっていませんか?
X脚は選手生命を短くしてしまう、さらには、引退後の人生にも影響してしまう可能性が大いにあるのです。
ここでは先天的、または病的なX脚を除きます。
重い体重とX脚のリスク
脚を閉じて立つと、膝は付くけど踝は離れるX脚。
身長に対して体重が重い人に比較的多く見られます。
まだX脚ではない人も、片足立ちで膝を折ると膝が内側に入るようなら、X脚になる要素を十分に持っています。
ただ、単に体重が重いだけではX脚にはなりません。
プレーの質と強化の片寄りがX脚にする
体重が重い方が有利とされるスポーツ、ポジションなら、コンタクトで当たり負けしない、遠くへ飛ばしたいなど、トレーニングは腕力ほか上半身中心に比重が大きくなりがちです。
また、ウエイトがあるためランニングメニューは苦手で敬遠しがち。
スタミナを付ける、筋肉を柔軟なものにする、もちろん体重を増やすことも目的として食事は大盛。接種カロリーを増やし、ある程度脂肪を蓄えることにも積極的に取り組んでいるでしょう。
実際のプレーでは、主に大腿筋群(ふともも)と内転筋群(ふとももの内側)が押し負けない、当たり負けないように強く踏ん張ります。
さらに、速く強いコンタクトのためには、前寄り荷重な姿勢も重要です。
これらから、X脚になる以下のような要因が生じやすいと言えます。
- 筋肉量がアンバランス(上半身に頼りがち)
- 腹筋・ハムストリング・臀筋群が比較的弱い(強化の片寄りが原因)
- 大腿筋群と内転筋群が強い、硬い(よく使う、ストレッチ不足)
- 足裏の内側縦アーチ(土踏まず)が潰れがち(前荷重、体重過多)
下半身全般を鍛えるためのスクワットや、腹筋などのトレーニングもしているとは思います。
ただ、例えば、スクワットは前荷重気味になっていませんか?深くしゃがんでいないのでは?
それは大腿筋群を多く使い、ハムストリング・臀筋群を十分に強化できない楽な姿勢です。
基礎的なトレーニングが苦手なのも体重が重い人の弱点かも知れません。
X脚のリスク
X脚になると膝が内側に入る「ニーイン・トゥアウト」の状態になり易く、下半身が不安定になります。
そのため、膝の内側に大きなストレスがかかりやすく、膝の内側側副靱帯や内側半月板を損傷するリスクが高まります。
また、コンタクトの場面で膝が内側に捻られ、前十字靱帯を損傷するリスクが高くなります。
前十字靱帯や半月板の損傷は、プレーに復帰するまでに相当な月日が必要になります。
程度にもよりますが、学校の部活動なら卒業するまでチームに合流できないかも知れません。
さらに、前十字や半月板は一度損傷してしまうと、完全に元通りには治りません。
緩んだ状態になってしまい、再発する可能性が高いのです。
そうなると選手生命にも係わって来ます。
引退後も悩まされる
前十字や半月板の大きな怪我をしてしまったら当然、運よくやってしまわずに済んでも、重い体重とX脚に引退後も悩まされます。
太く逞しく鍛えた筋肉が急にやせ細ることはありません。
大食いの癖を抑えきれない。トレーニングはしない。当然のように、体形と体重はそのままに体脂肪率はぐんぐん上昇するでしょう。
時間経過と共に、自然にX脚が解消されていく見込みはほとんどありません。
X脚は膝関節の外側への負担が高く、さらに体重が重いとなれば、間違いなく中高年以降はひざ痛(変形性膝関節症)に悩まされます。
また、過多な体重と現役の頃の強い前寄り荷重が、足の骨格構造を崩しているはずです。
筋肉量が急激に落ち始める20代半ばあたりから、疲れを感じやすい扁平足や足の裏の痛みにも悩まされるでしょう。
怪我リスクを減らす(現役・体重維持)
日頃のトレーニングの意識とメニューを少しだけ変える。
いつでも出来る簡単なエクササイズを実践する。
それだけで、体重を維持しながらもX脚を改善することができます。
僅かな期間で劇的に変化することはありませんが、数ヶ月もたたない内に効果は確実に表れます。
余談ですが、X脚なる身体的な要素は、猫背になる要素と共通点が多くあります。
猫背気味は疲れやすく、扁平足になることも知られています。
日常生活の猫背を改善するのもX脚改善に効果があります。
大腿筋群と内転筋群のストレッチ
練習、試合、筋トレの後、太ももと内太もものストレッチ。
- 大腿筋群のストレッチ
・右足の甲を右手で掴み、踵をお尻へ付ける
・左も同様に片足毎
・立位でも寝転んでも可 - 4ポイント・ワイドスクワットで内転筋をストレッチ
・膝を肩幅より広く開いた四つん這い
・爪先を外側に向けて開く
・背筋を伸ばしたままお尻を下げる。
硬く緊張している筋肉が伸びる感覚が分かるはず。
各30秒キープ×2セット以上が目安。
比較的弱い筋肉を強化
腹筋・ハムストリング・臀筋群が比較的弱いはずです。
意識して日常のトレーニングメニューに腹筋の強化を取り入れましょう。
ノーマルスクワットではハムストリングと臀筋群より、大腿筋群をさらに強めてしまいます。
ハムストリングと臀筋群の強化は、片足での「スプリットスクワット、またはブルガリアンスクワット」、仰向けに寝転んでの「ヒップリフト」の方が効果的です。(それぞれの方法は各自検索を)
ハムストリングと臀筋群の強化は推進力の強化とも言えます。
押す力と走力が上がります!
パフォーマンスUPにも繋がるのですから、積極的に取り組みましょう。
苦手なランニングメニューの克服にも繋がりますよ。罰走ルールがある部活には特に有効?(笑)
土踏まずを強化
重い身体を支えている足裏の内側縦アーチ(土踏まず)を鍛えます。
つま先立ちを繰り返す、またはつま先立ちの状態キープ。ただそれだけで足底筋群を強化でき、足裏の内側縦アーチの崩れを抑える効果があります。
但し、練習後と、やり過ぎは禁物。土踏まずがピリッと痛む足底筋膜炎を患う可能性があります。
足底筋膜炎は完治できる足の疾患ですが、治療は「安静」が大前提。数週間チームから離脱することになり、レギュラー争いに於いてはかなりの痛手です。
土踏まずの強化については「扁平足の治し方」を参照ください。
機能性インソールの使用
ラグビー・アメリカンフットボール・野球など、スパイク・シューズを着用するスポーツの場合は、機能性インソールの使用をお勧めします。
X脚の場合、膝が内側へ倒れやすくなっています。
重い体重は足裏の内側縦アーチ(土踏まず)を低下させます。
また、重い体重を支えている踵が外反していることも多く、「ニーイン・トゥアウト」になりがちです。
前十字靱帯や半月板を損傷させない為には、足元を安定させる必要があります。機能性インソールで足裏の内側縦アーチを下支えするだけで、ある程度の効果が見込めます。
試着して、土踏まずの高さが合った物、ある程度硬めのものを選びましょう。
より高い効果を望むなら「オーダーメイドインソール」
既製品のインソールは比較的安価なことが魅力です。
使用してみて自身に合うものが見つかるまで、様々なインソールを次々と試すのもアリでしょう。
逆に、オーダーメイドインソールは多少高額ではあるものの、自身の足に確実にフィットします。
足に合わせて加工するのですから当然です。
足裏の内側縦アーチはもちろん、踵をしっかり掴む構造が踵の外反をサポート。膝の内側への倒れを防ぎ、怪我の予防に繋がります。
また、スパイク・シューズとの一体感と高反発素材が蹴り出しを良くします。
前後左右への動きが鋭くなる、安定する。プレーのパフォーマンスUPにも繋がります。
ラグビー、アメリカン、野球など、各ポジションそれぞれの動きに最適なオーダーメイドインソールは、各15,400円。
ヒアリングと測定などを含めて所要およそ60~90分。当日から使用できます。
スパイク持参でご来店ください。
2023年3月20日をもって閉店いたしました。