ヒールの方が楽、歩きやすい は要注意
ヒール靴の方が楽、歩きやすい、ヒールのない靴の方が疲れる…と感じる人も少なくないようです。
でも、それは要注意。足や脚に何らかのトラブルを秘めているからかも知れません…
ヒールの方が歩きやすい、は一応正解。
普段ヒール靴を履くことが多い人が「フラットヒールのパンプスよりも、ヒールにある程度高さのある靴の方が歩きやすい」と感じるのは、理屈の上では間違いなく、一応正解です。
ヒールにある程度高さがあることで、前足寄りに体重を受け止めている、身体の重心は前寄りになっています。極端な表現をすると「前のめり」な状態。
一歩踏み出すと、前寄りな重心が上体を僅かに前方へ引き倒します。この重心移動が前へ進む推進力へと置き換わるからです。
これはヒール靴に限らず、紳士用の革靴であれ、ランニングシューズであれ、踵部分に高さのある靴全般に言えることですので、ここでは「ヒール靴の方が歩きやすい」を、“一応正解“としておきます。
とは言え、踵が高すぎるハイヒールは足裏に痺れるような痛みを感じ、足首が安定しないピンヒールは全身の疲れに繋がるなど、ヒール靴には様々な問題が潜んでおり、決してお勧めはできません。(パンプスを履くと疲れる・痛い…は何故?も参照をください。)
ヒールの方が楽、も一応正解?
ヒール靴が楽、とまでは言えなくとも、フラットヒールのパンプスや、ぺたんこのスニーカーなどを履くと、足の裏やふくらはぎが疲れやすい、足首やくるぶしあたりが痛む、足が重いと感じる人が多いのも事実です。
フラットな靴の方が疲れると感じる人は、以下のいずれかが原因の可能性があります。
ふくらはぎが硬直している
ヒール靴を履いて歩く時は、かかとがフラットな靴と比べて足首がほとんど動きません。足首は足先を伸ばしたつま先立ちのような形を保ち、ふくらはぎの筋肉は縮んだ状態が続いています。
縮こまった、硬直したふくらはぎの筋肉は伸びにくいため、フラットな靴を履いた場合にふくらはぎが疲れやすい、足首やくるぶしあたりに痛みを感じます。
さらに、縮こまったふくらはぎの筋肉が、アキレス腱で繋がっている踵を引っ張ります。踵と繋がる足裏の筋肉はその影響を受けて常に負担過多の状態、緊張状態が続くことで足裏の疲れ、足が重い感じに直結します。
また、アキレス腱が伸びにくいため足首が前へ倒れにくく、踵が早く浮き上がってしまうため、フラットな靴を履くと歩幅は小さくなりがちで、単純に疲れに直結します。
フラットな靴を履くと感じる疲れや痛みは、ふくらはぎ(ヒラメ筋・腓腹筋)とアキレス腱のストレッチをすることで改善できます。試してみる価値はあると思いますよ(方法はググッてください)。
余談ですが、ふくらはぎの筋肉の硬直は、ヒール靴を常用する人の多くが「ふくらはぎの引き締まったキレイな足」に見える理由でもあります。
扁平足かも
フラットな靴を履くと足の裏やふくらはぎが疲れやすい、体がだるい、足が重いなどの不調を感じるのは、扁平足(へんぺいそく)を患っているからかも知れません。
扁平足とは、足裏の土踏まず(内側縦アーチ)の低下した状態、一般的には足の裏が平らに近い、ベッタリとした足のこと。直接結びつくとは限りませんが、疲れやすい、体がだるい、足が重いなどは、扁平足の代表的な症状です。
ヒール靴を履く、つま先立ちのような形をすると、体重で足は縦方向に押さえ付けられることと、足裏の筋肉に力が入ることで親指の付け根と踵の間の筋肉が緊張して縮こまる、硬直したふくらはぎから続く腱が土踏まずの中央付近の骨を引っ張る、などの状況が起こります。
このような筋肉や腱の動きが扁平足の状況を僅かながらも改善するため「ヒールの方が楽」に感じることも多いようです。
疲れやすい程度の扁平足なら特別問題のあるほどの疾患とは言えませんが、外反母趾や内反小趾などの足形の変形や、中足骨骨頭痛ほか足裏の痛みを引き起こす原因としても知られます。
心当たりがある、自身が扁平足かどうか気になる人は「扁平足をセルフチェック‼」「扁平足が引き起こす身体の不調」も参考にしてください。
本当にヒールを楽に、歩きやすくするには
ヒールの方が楽、歩きやすい。扁平足で無いなら特に問題がなさそうに思えるかも知れません。でも、今履いているヒール靴が本当に楽に歩ける、歩きやすいのでしょうか。
一般的にヒール靴はどうしても前滑りします。すると、かかとがパカパカする、長く歩くと前足が痺れるような感じ、足指が痛い、足の裏にタコや魚の目が出来るなど、ほとんどの人が何らかの悩みを持っています。さらに、ヒール靴が原因とは知らずに腰痛や肩こりに悩まされている人も多いはず。
運よく自身に合ったヒール靴に出会えた、全く問題ないのであれば良いのですが、ここまでお読みいただいて「ふ~ん…」「興味がある」感じなら、ぜひ今お履きの靴、お気に入りの靴、どうにかしたい靴を持って遊びに来てください。
その靴の何がどうなのか、次にヒールを購入する時はどんな点に気を付けるべきなのか。扁平足ほか現状の、または将来心配される足の疾患の測定・診断と、改善方法のカウンセリングなど、相談や体験だけなら無料です。
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