ハイアーチ(甲高・凹足)原因と改善策

どんな靴も大抵足の甲が痛くなる、足裏の指の付け根あたりに魚の目やタコがある、長く歩くと前足部が痛む、土踏まずのかかと付近に痛みを感じることがある、よく足を挫く、ふくらはぎがつる…

6ツの症状のうち2ツ以上に心当たりがある方は「ハイアーチ(甲高・凹足)」である疑いが強く、足裏からふくらはぎにかけての筋肉が常に緊張状態、足や身体バランスにトラブルを生じやすい危険な状態です。

 

ハイアーチとは

立っている状態で、土踏まずがベッタリと地面に接してしまっている「扁平足(へんぺいそく)」とは真逆の、土踏まずが浮きあがっている状態をハイアーチと言い、土踏まずが地面に全く接しないほど浮き上がっている場合は凹足(おうそく)と呼ばれる足の疾患になります。

凹足(疾病)と言うほどでも無く、土踏まずがやや高く浮いている、足の甲が高い程度の状態のハイアーチを甲高(こうだか)と言います。

ハイアーチと通常の足の対比
ハイアーチ(左)と通常の足の対比 ハイアーチは大抵ハンマートゥを併発します。

一般的には足に合う靴が無い程度、土踏まずの一部は地面に接している程度の“甲高“がほとんどで、瞬発力を必要とするアスリートには甲高気味な足は珍しくなく、言い換えると瞬発力に優れた足の形状とも言えます。

 

ハイアーチの問題点

たとえ甲高程度であっても、踵と前足部(足指の付け根あたり)だけで身体の荷重の大部分を受けとめているため、踵と前足部に痛みを感じることが多く、荷重が前足部気味であること、地面に接している面積が小さいことなどにより、身体バランスが取り難いために足首を挫きやすく、さらには足だけではなく、負担が及ぶひざや腰などにも疲れや痛みを感じやすくなります。

また、身体のバランスを保つために足指に力を込めてしまうことなどで足裏の筋肉は常に負担過多、緊張状態が続くことで柔軟性を無くした土踏まずは歩行時の衝撃を上手く吸収できず、悪化すると足裏かかと付近に痛みを感じる「足底腱膜炎(そくていけんまくえん)」や「踵骨棘(しょうこつきょく)」を発症することもあります。

足裏筋肉の緊張はアキレス腱~ふくらはぎへと連鎖し、アキレス腱や周囲に炎症を起こす、硬くなったふくらはぎは疲れる、つるなどの症状が起こりやすくなります。

靴の中で足前後左右にズレたりすることで前足部の皮膚が硬くなり、タコ魚の目が出来ることが多く見られるのもハイアーチの特徴です。また、不安定なバランスを支えるために無意識で足指に力を入れてしまうこと、中足骨が立っていることで足底腱が踵側へ指先を引っ張る状態が続くことなどから、概ね屈み指(かがみゆび、ハンマートゥ)の併発も多く見られます。

 

ハイアーチ(甲高・凹足)になる原因

凹足の原因の多くは先天性(遺伝)によるものです。筋ジフトロフィーや麻痺などの神経疾患により、足の筋肉が萎縮して発症するケースもあります。

凹足とまでは言えないハイアーチ(甲高)は、以下のような行動により「足裏と脚の筋肉バランスが悪くなること」で発症します。

  • 激しい運動のし過ぎ
    足先やかかとに負荷がかかりすぎる
  • 足に合っていない靴
    ハイヒールのようなかかとが高い靴は常につま先立ちをしている状態
  • 体重の増加
    妊娠や肥満など、短期間に大きく体重が増えてしまい、負荷のかかり方が大きく変化
  • 足首の捻挫
    足首周りの靭帯が伸びているため、踵骨(しゅこつ:かかとの骨)が内側(または外側)へ倒れやすく、足の外側(または内側)で片寄って体重を受け止める

いずれの場合も、筋肉や靭帯が女性と比べて強い男性は、ハイアーチになりやすい傾向があるとされています。

 

自分はハイアーチ?

ハイアーチが原因で足底腱膜炎(=足底筋膜炎)になってしまう前に!(治療のための注射は「言葉で表せないほど」痛いそうですw)

ハイアーチはフットプリントを撮ると一目瞭然
ハイアーチはフットプリントを撮ると一目瞭然。
画像はまだ土踏まずの一部が接している「強めの甲高」、要注意です。

何となく「自分は甲高かも…」と感じていても、自身が立っている状態で、土踏まずの状況を見ることはできませんし、どれ位地面から浮いていればハイアーチなのかも素人ですから判断できません…

ハイアーチか否か、凹足・甲高、気にするほどでもない甲高気味など、足の裏の状態は、フットプリントを撮って足裏の圧力を計測すれば一目瞭然です。
当店ではフットプリントと足裏の診断、状況の詳しい説明は無料です。

計測の結果、もしも凹足だった場合は医師による治療を、ハイアーチ(甲高)だった場合は、最も有効な改善方法「オーダーメイドインソール(中敷き)の使用」をお勧めします。

↓の「ハイアーチを改善」を参照ください。

 

凹足の場合

土踏まずが全く地面に接していない部分がある程のハイアーチ、凹足ともなると、特徴的な骨の変形ですから、自身でもある程度分かります。

凹足まで進行してしまっている、またはその疑いが強い場合はすみやかに整形外科を訪れ、レントゲンなどで足の状態の検査を受けましょう。程度の重い凹足が原因で、何らか重大な疾患や身体の不調が表れている場合は、足底の腱膜や足骨を切るなどの外科手術となります。

程度や医師によっては、↓のようなインソールと靴による改善を指導することも多くあるようです。

 

最適な靴とインソールでハイアーチを改善

甲高であれ、凹足であれ、ハイアーチに伴う疾患・身体の不調は、「オーダーメイドインソール(中敷き)」を「足に合った靴」に入れて「正しい歩き方」をすることで改善できます。

インソールの有効性

  • 足裏の地面に接していない部分を支えてやることで、前足部と踵に二極化していた荷重を分散。足底筋膜の動きをサポート
  • 前より荷重で潰れてしまいがちな横アーチ(開帳足)を支え、前足部の痛みを解消
  • 荷重の分散により身体バランスが保ち易く、足指の無意識の踏ん張りを解放。屈み指や下腿の疲れ、腰痛・膝痛などを改善
  • 靴の中での足のズレを無くすことで、タコ・魚の目を解消
  • かかとを掴むようにしっかりと固定することで歩き易く、疲れ難くなるといった歩行・姿勢の改善

足の裏はひとり一人違っていますから、それぞれの足に合ったものでなければ、さらに、足に合った最適な靴でなければ靴の中で足がズレてしまって、せっかくインソールをオーダーメイドしても効果は期待薄…

かかとの骨をしっかり支えることができる「オーダーメイドインソール(中敷き)」と「足に合った靴」が足の骨格バランスを整え、緊張していた足裏の筋肉に柔軟性を持たせる効果も期待でき、荷重を分散することで自由になった足指は、正しい歩き方と合わせて前足部~指先のトラブル、タコ・魚の目などの解消までもを導きます。

 

ハイアーチにお悩みの方は是非一度ご来店ください。フットプリントで実際の状況を確認することはもちろん、凹足であれ、甲高であれ、ハイアーチと引き起こす症状の改善に効果的な歩き方の指導まで、お悩み解消のお手伝いをいたします。

2023年3月20日をもって閉店いたしました。