インソールを長持ちさせる10の対策とメンテ

足や脚、または靴のトラブルを何とかしたくて使い始めたインソール。

オーダーメイドインソールであれ、市販の既製品インソールであれ、ちょっとしたことで耐用日数は大きく違ってきます。

中でも、オーダーメイドインソールとなるとそれなりのお値段ですから、少しでも永く使いたいものですよね。

ここでは、100均物はもちろん、数千円程度の比較的安価なインソールのことは除きます。だって、それらは使い捨てが前提ですから。

 

インソールの劣化

靴の中で常に体重を受け止め、身体を支えているインソール。

どんなインソールであれ、保管環境次第で劣化の度合いは大きく違ってきます。
どんなインソールであれ、保管環境次第で劣化の度合いは大きく違ってきます。

そもそも靴の一部として用いられる前提ですから、特に気を遣わずとも、ある程度の耐久性は備えています。

ただ、一生ものという訳でもありません。

靴と同じ様に、汚れや臭いはもちろん、湿気の影響などで劣化は進んでしまいます。また、使用により擦れて掘れる、反り返る、割れが出てくる、などもインソールの機能面からは劣化と言えます。

言い換えると、日頃からほんの少し手入れをする、気遣うだけでも寿命を延ばすことに繋がるのです。

 
インソールを劣化させる原因は何なのか。そして、どうすれば防げる、長持ちさせられるのか。

原因ごとの対策、お手入れ、メンテナンスの方法などについて順に見て行きましょう。

  

インソール劣化の最大要因は湿気

靴と同様に、インソールの劣化を早めてしまう最大の要因は湿気です。(使用による機能面での劣化を除いて)

靴の中は足からの発汗で、以外と湿気を帯びています。

機能のより高いインソールほど、部位ごとに最適な素材を用い、それらを接着して作られています。

接着剤は水分に弱く、加水分解により強度が次第に落ち、劣化に直結します。

1. 靴の履き口は大きく開けて

紐靴などの場合は、靴を脱いだらできるだけ履き口を大きく開けておきましょう。

大胆に靴紐を緩め、シュータン(甲のべろ)をグイッとつま先方向へ引き出す。

ただそれだけで、靴の中の湿気をしっかり逃がしてやることができます。

2. シュークローゼットに乾燥剤

インソールだけでなく、靴も湿気を大変嫌います。

一緒にしっかり乾燥させてやるためにも、シュークローゼット(下駄箱)には専用の乾燥剤を設置しておきたいものです。

靴の中に入れる小袋型の靴の乾燥剤も有効です。ただ、全ての靴に毎回入れ直すのは面倒ですし不経済。きっと長続きしないので、下駄箱用の乾燥剤をお勧めします。

乾燥剤を選ぶポイントは「消臭」よりも「乾燥」。定期的に置き換える(買い替える)こともお忘れなく。

3. 靴からインソールを抜き出す

面倒過ぎるので無理なのは承知ですが、「インソールは毎回抜き出す」が理想です。

雨や雨上がりを歩いた日はもちろん、たくさん歩いた日、長い時間靴を履いて過ごした日は、靴からインソールを取り出しましょう。

靴も湿気を嫌います。インソールを抜き出してやる方が、双方ともよりしっかり乾燥させることができます。

特に各種スポーツのスパイク・シューズでインソールを使用している場合、相当に汗をかいているはずなので、毎回抜き出して乾燥に努めましょう。

4. 2足以上を履き分ける

毎日同じ靴、インソールを履き続けていると、湿気が抜けきれないなど、どうしても靴もインソールも劣化が早まります。

予算的に許されるなら、靴とインソールを複数セット用意し、交互に履くようにしたいものです。

靴とインソールの双方の劣化を遅らせることができ、結果的に1足を履き続けるのに比べて2倍以上は使用できるのですから経済的とも言えます。

1セットのインソールを複数の靴で使い廻す方法は、靴の劣化は抑えられますが、インソールを毎日使うことになります。あまりお勧めできるものではありません。

 

汚れ・臭いも大敵

屋外を歩く靴の中は埃などで以外と、また、足の裏は気が付かないうちに案外汚れているものです。

そして、歩くと足は結構汗をかきます。汗や皮脂を栄養として雑菌が繁殖し、臭いが付いてしまうのは靴と同じです。

5. インソールは月イチ洗う

必ず月イチ洗うべき、ということではありません。汚れ次第で良いのですが、汚れが目立たなくても時々洗うとニオイ対策にもなります。

洗濯洗剤、中性洗剤、石鹸など、なんでも大丈夫です。

表面をやさしく。そして、汚れの目立つところは使い古しの歯ブラシなど、柔らかめのブラシで擦り洗い。

生乾きはもちろん、乾燥が甘いと劣化の原因だけでなく、臭いの原因にもなります。

タオルなどでしっかり水分を拭き取ってから、1昼夜以上かけてしっかり乾燥させましょう。

洗濯機や乾燥機、ドライヤー、天日干しは厳禁です。
インソールが変形、または剥離したりしてダメになってしまうかも知れません。

また、整形外科で作ってもらったオーダーインソールは、洗ってはダメなタイプが多いので要注意。

雨で靴がズブ濡れになってしまった日は、靴もインソールも丸洗いのチャンス♪「濡れた靴を早く乾かすコツ」も参照ください。

6. ニオイの原因、雑菌対策

たくさん歩いた日、長い時間靴を履いて過ごした日は、除菌・消臭スプレーを用いましょう。

もちろん、煩わしくなければ毎日使っても大丈夫です。

手で握るタイプのハンドスプレーは、靴のつま先まで届かないばかりか、水分が多すぎて逆効果の可能性がありますので避けましょう。

普段から靴や靴下の臭いが気になりがちな方は、靴とインソールを履き始めた時から、毎回インソールを抜き出して靴とインソールの双方に吹きかけるのを続けてみてください。きっと靴の臭いから決別できますよ!

また、既に臭いを感じてしまっている状態なら、重曹を溶いたぬるま湯や除菌タイプの洗濯洗剤で浸け置き洗いをすると、うまく行けば除菌、消臭できる可能性があります。(長時間、または頻繁な浸け置き洗いはインソールの劣化に繋がります。ほどほどに。)

 

インソールが掘れる、反り返る

大抵の人がインソールの劣化に最初に気付くのは、表面が掘れてきた、または凹んでいる状態。

あるいは、前足部が大きく反り返っている、裏返すとひび割れた部分がある…

これらの状態は使用による劣化で、効果面からも劣化としていると言えます。

インソールの寿命が近い、または寿命を迎えたサインですが…

7. 掘れるのは歩き方の癖

インソールを抜き出してみたら、足指、または指の付け根あたりが擦れて掘れたようになっている。ひどく凹んで指跡が付いている…

掘れてきているなら、テーピングテープなどを張ってやると、さらなる劣化を防げます。

ただ、テープは数回の脱ぎ履きで剥がれてしまうので、頻繁に張り替える必要があります。

掘れてしまった原因は歩き方の癖です。それも、どちらかと言うと良くない癖。

つま先を抉るように、あるいは、猫背など前荷重が強すぎる姿勢で歩いている。靴紐などでしっかり甲を抑えていない、ルーズに靴を履いている可能性も十分にあります。

それらを自身で理解する、改めるのは難しいと思います。点検を兼ねてご来店いただくことをお勧めします。

指跡の凹みを自身で補修するのは難しいでしょうね。テープでの補修は一時凌ぎ。大きく掘れているなら、そのインソールはそろそろ寿命…

8. 大きく反り返っている

インソールを抜き出してみたら、中指の付け根あたりに強く圧が掛かって、つま先と左右が反り返っている感じ…

それは、前寄りの荷重が強い姿勢、歩き方の癖が原因です。

一般的な既製品の場合は、そろそろ寿命です。

当店のオーダーメイドインソールの場合は、再加熱で調整することもできます。点検を兼ねてご来店いただくことをお勧めします。

 

 

インソールの取り扱い・保管

劣化を抑えるための対策や行為で、インソールを台無しにしてしまっては本末転倒です。

また、大事にし過ぎるのも、実は劣化を早めしまう原因にも…

9. 抜き差しは丁寧に

乾燥を目的に、または洗ったり、様子を確認したくて靴からインソールを抜き出す、入れ直す時は、丁寧に扱いましょう。

特に再び挿入した時には、中で折れ曲がっていたり、傾いていたりすることも。

そのまま履くと、インソールに癖がついてしまってダメになるかも。

必ず靴の中に手を入れて、キチッと収まるっているかどうかを確認しましょう。

10. 仕舞い込まない

大切だからと箱に入れて仕舞い込んではいけません。

箱での保存は通気がなく、場合によってはひどく劣化してしまう可能性があります。

また、靴もインソールも、履いて初めて価値のある物。通気を兼ねて、少なくとも月に一度や二度は足を入れ、歩くことが劣化を防ぐことにもなります。

特に部屋の洋服用クローゼットは、寒暖差や湿度変化が大きいので保管に向きません。

また、登山靴のように年に数回履く程度、あるいは、スキー・スノボのブーツなど季節によって使用頻度が大きく違う履物の場合も、月に一度くらいは引っ張り出して風を通してやると、履物もインソールも良好な状態を保てます。

 

オーダーメイドインソールは定期的に点検を

せっかくのオーダーメイドインソール。少しでも永く、よい効果が続く状態にしておきたいものです。

そこで、当店では定期的な点検をお勧めしています。


そろそろ靴の買い替えを考えている。または、インソールを使い始めてから1年位が経過した。

いずれか早く訪れた時が、インソールを点検するタイミングです。

どちらの場合も、それなりの距離や時間を歩いているはずです。となると、インソールの劣化もある程度進んでいるはずです。

また、足や身体の様子も、インソールを作った時とは違っているかも知れません。

 

点検と調整は無料

当店で購入いただいたオーダーメイドインソールはもちろん、整形外科さんで作られた足底板や、他店で購入されたオーダーインソール、市販の既製品インソールも無料で点検・アドバイスさせていただきます。

月日の経過とともに変化した足や身体の様子に合わせる調整も、可能な限り無料で承ります。

場合によってはお買い替えをお勧めすることもありますが、もちろん強要ではありません。

歩き方や靴の履き方が原因での劣化については、しっかり指導もさせていただきます。

「点検してください~」くらいの軽い感覚でご来店ください。

2023年3月20日をもって閉店いたしました。

オーダーメイドインソールってどれ位もつの?
どうなったら買い替えのタイミング?

気になる方は「インソールの寿命」も参照ください。