歩幅の簡単な測り方 男女別・年齢別の平均、目安
歩幅とは、歩く時に踏み出した一歩で進む距離のこと。
距離ですから「長い/短い」、または小さい/大きいと表現しがちですが、「幅」なので正しくは「狭い/広い」と表現します。
以下、歩幅の表現は「狭い/広い」に統一します。
男女別・年齢別 歩幅の平均・目安
先ずは、男女別、年齢別に平均的な歩幅を見てみましょう。
以下は、普通に歩いた時の男女別、年代別の平均的な歩幅を表しています。
男性 | 女性 | |
30代 | 71~74cm | 59~60cm |
40代 | 71~72cm | 59~60cm |
50代 | 66~69cm | 56~58cm |
60代 | 61~64cm | 53~54cm |
70代 | 54~58cm | 47~49cm |
30代と40代では、男女ともに歩幅に大きな変化は見られません。
ただ、50代以降を見ると、男女とも年齢を重ねるほどに歩幅が狭くなっていくことが一目瞭然で見て取れます。
これは、歳を重ねるほどに筋力や体力が衰えることが主な原因です。
筋力が衰えてくると、歩行時に足を上げないすり足気味な歩き方になりがち。このため、一歩の踏み出しが小さくなります。
また、足や膝に感じる痛み。あるいは、筋力やバランス感覚の衰えが身体のふらつき。それらを無意識に庇うことも狭い歩幅の一因として挙げられます。
そして、
少し長く歩くと疲れを感じてしまう。
外出することが億劫になる。
などから、歩く機会が減ってしまい、筋力や体力はさらに衰え、歩幅は次第に狭くなって行くのです。
運動としてのウォーキング、目安は身長の45%
運動不足の解消やダイエットなどが目的、運動としてウォーキングをする場合、強度を上げた早歩きが効果的です。
狭い歩幅で早歩き、競歩のような歩き方は強靭な脚力を要します。ですので、一般的には歩幅を広く取って歩行速度を上げます。
歩幅を広げると腹筋や臀筋、ハムストリング(太ももの裏側)などの大きな筋肉をより多く使うことができますから、有酸素運動としての効果も高まります。
この場合の歩幅は、性別や年齢に関係なく「身長の45%から50%」が目安。
つまり、例えば身長160cmの人であれば、歩幅の目安は72~80cmにもなります。
普通に歩くのと同じ位のリズムで足を運ぶと、スローペースのジョギングと同じ位の速さになるはずです。
言い換えると、それ位の速度で歩けば、身長の45%から50%の歩幅になり、有酸素運動として高効率です。(詳しくは「早歩きはランニングより高効率」参照)
歩幅の測り方
あなた自身の歩幅はどれ位でしょう?
上記の男女別、年代別の平均的な歩幅と比べてどうなのでしょうか。
安易に「一歩踏み出してみて、何cmかを測る。」という方法で測っても、全く大外れということも無いでしょう。けれど、意識して踏み出した一歩は不自然でバラツキがあります。誤差は大きく、かなり不正確。
一般的には「10歩歩いてその距離を測り、10で割る(参考:健康機器のタニタ)」という方法が用いられます。10歩の平均ですから概ね信頼できます。
ただ、10歩も歩くと5~7mもの距離になります。
その長さを測るメジャーが必要など、個人で測る方法としては不向き…
身近な物を利用して測る
身近にある物、長さが決まっている物を利用すれば、簡単に自身の歩幅を知ることができます。
長いメジャーはもちろん不要。誰にも気付かれずに歩幅を測ることもできます。
横断歩道を利用する
歩行者が道路を安全に横断するため、道路上に白線で示された区域・横断歩道。
その白線と、次の白線との間隔は、それぞれ45cmと定められています。
横断歩道を利用して歩幅を測る方法は
- 横断歩道の白線の数を数えながら、一度交差点を渡ります。
- 1ツ目の白線の先につま先を合わせ、今度は歩数を数えながら渡ります。
- 最後の白線を越えた時の歩数で、白線の数×90cmを割ります。
例えば、10本の白線が描かれている横断歩道なら、最初の白線の先から最後の白線の先まで8m10cm。(白線と間隔を合わせて90cm×9)
12歩で歩いたとしたら、歩幅は67.5cm。(810cm÷12)
安全を十分に確認してお試しください。(間隔は45~50cmと多少ルーズな規格としている都道府県もあります。)
歩道の縁石・境界ブロックを利用する
車道と歩道の境目、道路または歩道の端に敷かれているコンクリートブロック。
ブロックは規格で長さ60cmと定められています。
誤差を少なくしたいので、20個分位が適当かと思います。
継ぎ目をおよそ1cmとして、20個分歩けば12m20cmですから、18歩半で歩いたとすれば、歩幅は65.9cm。(1220cm÷18.5)
道路標示・標識を利用する
道路に描かれている、以下のような交通標識も歩幅を測る、算出するのに有効です。
- 速度文字(30とか40とか、縦長の数字)は長辺5m。
7歩半で歩いたとすると、歩幅は66.6cm(500÷7.5) - 信号機の無い横断歩道の手前に設置された予告マーク(縦長のひし形)も長辺5m
7歩と2/3で歩いたとすると、歩幅は65.3cm(500÷7.66)
2車線道路の中央線(破線)なら比較的容易に長めの距離で歩幅を測ることができます。
中央線は、5m塗って5m空き(一般道)、または6m塗って9m空き(国道)の2種類。
歩道から横手に見て、実線の先から次の実線の先まで10m(または15m)です。
中央線のない道路の脇に引かれた実線と破線の二重線。
破線と次の破線までの間隔はそれぞれ2m。破線5本分を歩くとちょうど10mになります。
比較的交通量の少ない道でしょうし、線が長く数え易いのでおススメです。
これらはいずれも自動車用の路面標示です。安全を十分に確認してお試しください。
靴底を濡らして5歩
自身の足跡をメジャーなどで測る手軽な方法です。
一歩でなく、数歩歩いて測れば、誤差はある程度少なくなるでしょう。
- 靴底を水で濡らします。
- 乾いたアスファルト、またはコンクリートの路面を5歩歩きます。
- 3歩目のつま先跡から4歩目のつま先跡までの距離をメジャーで測ります。
3歩目のつま先跡から4歩目のつま先跡までの距離をメジャーで測ります。
これらの方法なら、いつでも同じ場所で、簡単に、定期的に自身の歩幅を測ることができます。
逆に、10歳若い世代の歩幅が、どれ程なのかを体験することも出来ますね♪
狭い歩幅の問題点
歩幅が狭い人は認知症になり易い。
歩幅には身体能力や心理状態が表われる。
などと言われます。
ただ、それらは、歩幅の狭い/広いが身体に直接的な悪影響を及ぼすということではありません。
歩幅が狭くなってしまう原因の方に問題があるのです。
とは言え、狭い歩幅でのペタペタ歩きは、慢性的な倦怠感・肩こり・腰痛、足の疲れ・冷え・むくみなど、様々な身体の不調に繋がります。
「老化だから仕方ない」と諦めず、逆に「まだ若いから関係ない」と放置せず、健康維持のためにも、人並み以上の歩幅を保ちたいものです。
歩幅を広くする方法
自身の歩幅を測ってみたら、「上記の男女別、年齢別の平均値と比べて狭かった」としたら…
それは現実ではあるものの、悲観することはありません。
ほんの少し意識するだけで歩幅は広くすることができます。
つま先をしっかり上げる
歩幅を広げるには、足を振り出す時に「つま先をしっかり上げる」。ただそれだけ。
平均より歩幅が狭い人なら、確実に10%以上歩幅が広がるはずです。
つま先を上げると、片足立ちの状態がほんの僅かに長くなります。また、膝が伸びた状態になるため、足が僅かに遠くへ着地します。結果的に一歩の歩幅が広がります。
先の年代別の歩幅に当てはめると、10歳以上も若返ることになるのです。
外出している間、ずっと意識しながら歩くのは難しいでしょう。また、そこに気を取られていると、思わぬ事故に遭ってしまうやも知れません。
無理して歩幅を広げて歩こうと意識する必要はありません。
気が付いた時、思い出したらつま先をグッと上げて歩く。
そんな感じで続けているうちに、簡単に、歩くほどに自然に身に付いて行きます。
つま先を上げるのは主に脛の筋肉。歩幅が広がるとふくらはぎの筋肉の運動も増え、疲れにくいようにもなります。
5本指靴下を履く
筋肉やバランス感覚の衰えから身体がふらつくと、心理的な不安からすり足気味に歩くようになります。
足の5本の指を一本ずつ包む5本指の靴下を履く、例えて言うなら「じゃんけんのパー」の状態にしてやると、僅かですが足指が横方向に広がります。
僅かではあっても左右への身体のふらつきを抑えられます。心理的な不安が解消され、歩幅が次第に広ります。
詳しくは「5本指ソックスの効果 メリットとデメリット」を参照ください。
歩く速度も変化する
歩幅の狭さは歩く速度に直結します。歩幅が広がると、自然に歩く速度も速くなります。
早歩きな人ほど健康で長生きすると言われるほど、歩行速度と健康状態は密接な関係にあります。
つま先を上げる歩き方に慣れてきたら、「歩行速度の求め方 年齢別・平均・目安」を参考に、ご自身の歩く速度を測り、年齢別の平均値と比べてみると、歩幅が広がった効果を実感できるでしょう。
月に一度は測って記録
例えば月に一度くらい、歩幅と歩行速度を測り、記録してみては如何でしょうか。
長く続けていれば、例えば「この一年で急に歩幅が狭くなった…」など、ご自身の歩きの変化に気付くかも知れません。
歩幅と歩行速度が維持できている、または少しずつでも良い方向へ向かっていれば、張り合いになるというものです。
足に合った歩きやすい靴が重要
歩幅は履いている靴にも大きく左右されます。
と言うのも、「足や膝に不安がある」「足元が安定していない」「体力や筋力の低下」など、歩幅が狭くなってしまった原因があるはずだからです。
歩きやすくしっかりと安定した靴に履き替えると、不安が解消され、歩幅が広がり、疲れにくくなる。そんな好循環が生まれます。
そうなると、外出する機会も増えるでしょう。
すると、体力や筋力の維持にも繋がり、さらに歩くことが楽になります。
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