ペタペタ歩きが疲れ・不調の原因?!
つま先を上げず、歩幅を小さめに踏み出し、ひざが曲がった状態のまま、足の裏全体でペタペタ…
そんなペタペタ歩きが、慢性的な倦怠感・肩こり・腰痛、足の疲れ・冷え・むくみなど、様々な身体の不調の原因かも知れません。
さらに、長年続けていると扁平足や外反母趾など足のトラブル、さらには、動脈硬化や高血圧のリスクも高まるんです。
脚やふくらはぎが太くなる、こどもの歩き方が気になる、どころの話ではありません。
ペタペタ歩きの調査
つま先の上がらないすり足気味な感じの歩き方、ペタペタ歩き。
アシックススポーツ工学研究所の調査によると、男女を問わず60歳頃になると半数以上の人がペタペタ歩きをしているという結果が出ています。
そして、この調査で興味深いのは、50歳未満ではペタペタ歩きをしている人の割合に男女で大きく差があることです。
男性は20歳の時点でおよそ2割の人がペタペタ歩きをしています。以降、加齢とともにその割合は正比例して増え続け、80歳頃には約半数に至ります。
一方、女性はと言うと、20代で約半数もの人がペタペタ歩きをしていました。
そして、50歳までの間にその割合は男性と同等の3割程度にまでに減るものの、50歳を過ぎると急激に増加、80歳頃には8割近くもの女性がペタペタ歩きに…
この男女で異なる割合の推移から、ペタペタ歩きの原因が見えてきます。
ペタペタ歩きになる原因
踏み出す足の「つま先が上がっていない」。それがペタペタ歩きです。
では、どうして無意識のうちにペタペタ歩きになってしまうのか。そして、なぜ男女でその割合いが違う、20代の女性は何がどうなっているのか…
原因①:筋力の衰え
男性は20代から80歳までの間、年齢に比例して右肩上がりにペタペタ歩きの割合が増え続けます。女性も50歳以降は同じ傾向です。
このことから、ペタペタ歩きの原因は加齢による筋力の衰え、運動量の減少、運動能力の衰えに原因があると推測できます。
筋力の衰えから踏み出す一歩が小さくなる。
歩幅が小さくすり足気味。
歩く速度が遅くなる。
さらに、筋力が衰えているため身体バランスが悪く、身体のふらつきを抑えようという心理も手伝って、ペタペタと小股で歩くように…
原因②:履物による癖(女性20~30代)
20~30代の女性の約半数がペタペタ歩き…
この年齢層で筋肉が弱いから、という理由はおよそ考えられません。
女性と男性の違いから考えると、ヒール靴やブーツ、またはサンダルなど、多くの女性が着用する履物にその原因が潜んでいると推測できます。
ヒール靴の踵は安定してるとは言い難く、また、つま先立ちに近い形で歩くため、足首の動きが極端に少ない。
サンダルは踵が固定されていないため、無意識にすり足気味になる。
いずれも踵が安定していないためつま先を上げ難い。そして足首の動きが少さい。
そんな歩き方が癖になってしまっていると考えられます。
フラットな靴より「ヒール靴の方が楽、歩きやすい」と感じる女性は要注意です。
原因③:足形の変形(女性50代以降)
50歳頃に男性と同等の割合に減るものの、50歳を過ぎると急激にペタペタ歩きをする人が増加する…
これは外反母趾や内反小趾、開張足などの足形の変形(骨格構造の乱れ)が原因です。
女性は男性と比べて骨が細く、関節が弱い。筋力も弱いため、足の骨格構造が乱れやすい傾向があります。
身体を支える足の骨が乱れると、身体のバランスを保ちにくく、不安定になるため、無意識のうちにすり足気味に、歩幅も小さく…
女性高齢者にペタペタ歩きがとても多い原因です。
原因④:履物の影響
ハイヒールやパンプスなど、見た目重視のつま先が細く美しい靴。そんな靴自体にも問題があります。
窮屈なつま先に足指は押し込められる。前足部で荷重の多くを受け止めている。
そんな靴を履き続けていると、歩行時に足指に荷重のかからない歩き方になります。
足指を使えない歩き方は、足裏の筋腱群を弱くします。
また、踵の安定しないヒール靴は、足首が内側へ倒れやすく、足の骨格構造が次第に崩れて行きます。
これらが中高年以降に大きく足形が変形してしまう原因と言えます。
そして、足形の変形はペタペタ歩きに直結します。
原因⑤:こども
こどもの足の骨格が大人に近づくのは7~10歳頃。
幼児期からこの頃までの子供は、必然的にペタペタ歩きをしています。と言うより、ペタペタ歩きしかできません。
当然個人差はありますが、小学校高学年になるまでは全く何の心配もありません。
高学年になっても改善が見られないケースは、靴、または日常生活とどちらかに問題があります。(個々の違いが大きいので、これ以上は…)
ペタペタ歩きの問題点・身体への悪影響
「ペタペタ歩き」と検索すると、原因・治し方・ふくらはぎ・子供などのキーワードが続きます。
何らか気にはなるものの「ペタペタ歩きの何が悪いの?」と思っている人も多いでしょう。
原因・治し方について調べる人も、それほど重要性、緊迫感は無いのでは…
ポンプ効果の減少
足のつま先を上げる、伸ばす。足首はすねとふくらはぎの筋肉を使って動かしています。
歩行時の足を蹴り返す動きを担うふくらはぎ。その筋肉の収縮と緩和の繰り返しは、下腿に留まりがちな血液を心臓へ送り返すポンプの役割を持っています。
このポンプの効果から、ふくらはぎは第二の心臓と呼ばれています。
つま先の上がらないペタペタ歩きでは、ふくらはぎの動きが小さく、ポンプ効果を得られません。
そのため、血流・血行が悪くなりがち。それは、以下のような不調に繋がり、さらには動脈硬化や高血圧のリスクも高まります。
- 冷え、下腿のむくみ
- 倦怠感
- 脚太り
悪い姿勢
多くの場合、ペタペタ歩きをしている人はかかと寄り荷重、母指球にほとんど荷重をかけずに歩いています。
かかと寄り荷重になると骨盤が後ろに倒れます。バランスを取ろうと、無意識に猫背になります。
また、足を蹴り返す動作がほとんど無いため、足指に荷重がほとんどかかりません。
姿勢の悪さ、足指を使わない歩き方は、以下のような不調に繋がります。
前寄り荷重が強めなペタペタ歩きをしている人もいます。反り腰姿勢になるため骨盤が前に倒れます。結果的に後ろ荷重と大きく違わない、O脚の進行を除く上記のようなトラブルに繋がります。(X脚の進行、やはり膝痛を発症する可能性大)
ひざ痛
身体のすぐ下に足を着くため、常に膝が曲がった状態で歩いていることもペタペタ歩きの特徴です。
足指が使えない
身体バランスが悪い
O脚(またはX脚)が進行
脛とふくらはぎの筋力が弱い
これらからから、歩行時に曲がった膝は安定せず、変形性膝関節症を発症する可能性が高まります。
あるいは、その痛みを感じやすいためにさらにペタペタと小股で歩く…悪循環で外出がイヤになる可能性、ひいては、乱暴ですが認知症などに繋がる恐れも…
ペタペタ歩きの治し方
ペタペタ歩きを治すのは、とても簡単です。
踏み出す一歩の「つま先をしっかり上げる」ことを意識する。ただそれだけです。
「どれくらい?」
大げさに表現すると「前から向かって来る人に靴底を見せる」位の気持ちで、です。
すると、以下のような好循環が生まれます。
- つま先をしっかり上げて踏み出す
→ 身体が起き上り、姿勢が良くなる。 - かかとから着地
→ 歩幅が大きくなる。自然に膝が伸びる。 - まっすぐに伸びた膝は揺れない
→ ひざ痛を感じにくい。 - 後ろ足が自然と蹴り返す形になる
→ 指に荷重がかかる。 - しっかりつま先を上げて次の一歩
→ 蹴り返す必要も無く、足を運ぶだけで楽に、どんどん歩ける。
一歩ごとに「つま先を上げて…」なんて意識していては歩けません。
例えば、歩きだす数歩を意識する。時々思い出したら意識して数歩歩く。そんな感じで続けている内に、ある程度身について行きます。
歩く靴も重要
しっかりつま先を上げて歩くためには、かかとの安定した靴を履くことも重要です。
踏み出した一歩、靴の踵が安定していなければグラグラ、身体がふらついてしまいます。
ただでさえ足指が上手く使えていないのですから、尚のことです。
中高年はインソールの効果で手助け
いつまでも自身の足でしっかり歩きたい。
ペタペタ歩きを続けていたのでは、それを叶えることは出来ません。
ただ、若い頃のような筋力や体力ではありませんし、現状「少し長く歩くと疲れてしまう」状態かも知れません。
さらに、足形の変形が進行していたり、膝痛があるとなると…
そこで、お勧めしたいのがオーダーメイドインソール(中敷き)です。
ひとり一人異なる足、そして、それぞれの不調や悩みに応じて作成するインソール。
身体バランスを整える効果がふらつきを減らす。安定しているからしっかり踏み出せる。
しっかり安定した靴と合わせると、相乗効果で身体への負担も少なく、早く、楽に、どんどん歩けます。
早歩きな人ほど健康で長生きなことはご存じの通りです。
当店は、しっかり安定して楽に歩ける靴とオーダーメイドインソールの専門店。
ご相談、診断は無料です。
どうぞお気軽にご来店ください。
2023年3月20日をもって閉店いたしました。
つま先上がりの加齢変化・資料:アシックススポーツ工学研究所「究極の歩き方」