扁平足が引き起こす身体の不調

少し長い時間歩くと足裏が痛い、足首やくるぶしあたりが痛む…。慢性的に疲れやすい、体がだるい。腰・膝が痛い、肩凝り、足が重い、足の裏にタコができる…。

そんな悩みの原因は、もしかすると扁平足(へんぺいそく)かも知れません。

扁平足が引き起こす様々な身体の不調、扁平足になる原因や治し方を知って、身体のお悩みの改善・予防にお役立てください。

  

扁平足と身体の不調

土踏まずが平になる扁平足は体調の様々な不調の原因に…
土踏まずが平らになる扁平足は体調の様々な不調の原因に…

扁平足とは、足裏の土踏まず(内側縦アーチ)の低下した異常な状態。

一般的には足の裏が平らに近い状態を言い、痛みが生じている状態を扁平足障害といいます。

足の病気ではありますが、日常生活の中で病気と呼ぶほどの直接的なトラブルはほとんどありません。ただ、本来浮いているはずの足裏の土踏まず部分が接地してしまう分、踵の骨が内側に傾いてしまうことが多く、さらに土踏まずで体重を分散することができないことから身体が安定せず”体がふらふらする”、”片足立ちが出来ない”など症状が多くみられます。

また、軽度であっても激しい運動をすると足裏やふくらはぎが痛んだり、中高年以降に発症する扁平足では、内側のくるぶしの下が腫れると共に痛みが生じることもあります。

扁平足は見た目だけでは判断できないこともあります。

また、直接結びつくとは限りませんが、疲れやすい・体がだるい・膝が痛い・肩凝り・足が重いなどの症状、すぐ足裏にタコができるのも扁平足が原因の可能性があります。

 

扁平足になる原因

運動不足や加齢による筋肉量の低下、腱のゆるみ、体重増加よる負荷の増大、これらが原因で足裏のアーチが崩れてしまうことで、足の裏が平らに近い状態になってしまう、足裏への負荷が慢性的に続く長時間の立ち仕事などでも同様な足の変形が起こり得ます。

これらは、比較的運動量の少ない中高年世代、女性に見られがちな要因であり、実際に扁平足がお悩みで来店されるの方の大多数は中高年の女性です。

余談ですが、サイズの小さい靴や先が細い靴を履くことで足が圧迫され、足の親指が変形してしまう外反母趾は、足形の変形と共に足裏のアーチも崩れてしまいます。外反母趾に悩む方は、概ね扁平足も併発しています。

ここでは先天的な骨の異常は除きます。

 

扁平足の見分け方

お風呂上りなど、濡れた足で歩くとてできる自身の足跡を観察、足形を見てみましょう。

フットプリントで足形を撮ると足の健康状態が判ります。
フットプリントで足形を撮ると足の健康状態が判ります。

画像中央が扁平足を患っている典型的な足形です。左端の健康な足の裏と比べて足の裏全体、土踏まず部分がベッタリと床面へ接してしまっていることがわかります。

これほどハッキリした扁平足は珍しいかも知れませんが、左端の健康な足形と比較すれば素人目にも扁平足の判断は付きます。

扁平足と似た症状(足や下腿が疲れやすい、足が重い、足の裏にタコができるなど)でも、足形は健康そう(縦アーチは崩れていない)なら、それは開張足(かいちょうそく)かも知れません。

 

予防と対策

原因が判れば予防は簡単です。足裏のアーチ(土踏まず)が崩れないように運動する、歩く。

とは言え、扁平足をすでに患っている場合、足裏のアーチを元の状態に戻してやるための運動、歩くこと自体に酷く疲れを感じてしまいます。また、元々運動不足気味、あるいは体重過多だったりするので…

扁平足の改善に土踏まずのマッサージが効くとか、足の指をしっかり使って歩くとか、色々対処療法的なものがありますが、簡単に無理なくいつでもできる以下3つの方法をお勧めします。

  1. つま先立ちを繰り返す
    足裏アーチの筋肉と腱は踵とつま先に固定されています。つま先立ちを繰り返すことで簡単に土踏まずを鍛えることができます。

  2. 歩き方を変える
    足裏全体でのペタペタ歩きをやめて、踵から着地して踏み込むように歩く。

  3. オーダーメイドインソールを使用する
    傾いたかかと周りの骨格を整え、足本来の働きをサポート。歩くことが楽になる(詳細は以下の保存療法を参照)。

つま先立ちであれば時間や場所を問わず、気が付いた時に手軽に繰り返すことができます。また、普段の歩行を少し意識して変えるだけで、多少時間はかかりますが、土踏まずはある程度形成されます。

但し、つま先立ちなど土踏まずを鍛える行動のやり過ぎは禁物です。土踏まずを形成する足裏の筋腱(足底筋膜・足底腱膜)を痛めてしまう可能性が強まります。

 

治療法(保存療法)

足裏のアーチ構造の崩れが扁平足の原因。整形外科医などでの治療の場合に有効で多く用いられるのが、足底板(アーチサポート)を用いた治療法(保存療法)です。

インソール(中敷き)を靴の中に挿入することにより、歩行時に足裏から崩れたアーチを持ち上げて足の変形を矯正することで、以下のような効果が期待できます。

インソールの使用で期待できる効果

  • 扁平足の進行予防
  • 痛みや痺れ、タコなど、アーチの潰れが原因となる症状の改善
  • 歩行・姿勢が改善され歩き易く、疲れ難くなる。
  • かかと周りの骨格を整える

 

但し、足の裏は人それぞれ皆違った形をしていますから、装着するアーチサポートは市販のインソールではなく、それぞれの足に合わせたオリジナルなものでなければ効果は期待薄です。

 

最適な靴とインソールで改善

当店は正確な計測に基き、上記の効果を最大限に得ることができるように足のアーチをサポートする、熱成型でそれぞれの足形にピッタリ合う立体形状のオーダーメイドインソールの専門店。

扁平足にお悩みの方は是非一度ご来店ください。じっくり時間をかけてお悩み解消のお手伝いをいたします。

 

2023年3月20日をもって閉店いたしました。

参考資料:日本整形外科学会「成人期扁平足」