立ち仕事での足の疲れ・だるさ・腰痛の原因と対策
毎日が立ち仕事の方にとって、足に疲れが溜まってだるい感じや重く感じたり、場合によっては足裏やふくらはぎなどに痛みを感じたり、慢性的に腰痛に悩まされたり…辛いですよね。
働く人のおよそ6割がサービス業に携わっている現代社会ですから、立ち仕事をしている方の割合はとても多くなっています。
そこで今回は、立ち仕事での足の疲れ・だるさ・腰痛・足裏やふくらはぎなどの痛みについて原因と対策をまとめてみました。
立ち仕事での足の疲れ・だるさ・腰痛の原因
工場などの作業員、介護士や保育士、看護師、警備員、店舗販売員や飲食店スタッフなど接客を中心とする仕事など、立ち仕事とは「業務の大半をほとんど同じ場所で立って行う仕事」という感じでしょうか。
人は座っている時より立っている時の方が集中でき、緊張感を保つことできます。また、長い時間座っていると脊椎(背骨)などへの負担が高いなど、多くの立ち仕事には立っている方が生産性や安全性が高いという根拠があります。
販売員さんや店員さんが立ちっぱなしを強いられるのは、作業効率や集中力云々よりも「接客業は立っているもの」「お客様に失礼」などという日本の古典的風習からとも言われます。
足の疲れ・だるさは血行不良が原因
長時間立ちっぱなしなのですから、立ち仕事は足と脚への負担が大きいことは言うまでもありません。
デスクワークなどの座り仕事と比べ、単純に身体を使っているから疲れるということだけでなく、立ち続ける、姿勢にほとんど変化がないことから特定の部位に荷重と負荷が集中してしまうため、疲労が蓄積することで下腿の筋肉は硬直してしまいます。
また、人が歩いている時には足裏の土踏まずが上下動することで足と足指の血液をふくらはぎへ送るポンプ役割をしています。ふくらはぎは第2の心臓とも言われ、歩く際の筋肉の収縮で心臓への血流を促しています。
ほとんど歩かない立ち仕事の場合、重力の関係も手伝って足と足指の血液循環が悪い状態であるにもかかわらず、足裏のポンプ効果やふくらはぎの収縮も皆無であることから、足と脚は血行不良の状態になります。
足と脚が浮腫んだり、だるい感じになるのはこの為です。
腰痛になりやすい
腰痛はデスクワークなど座って仕事をする方に多いように思われがちですが、立ち仕事をしている方の多くも感じている悩みです。
腰に負担のかかる動作を伴う立ち仕事をしていない、腰に負荷がかからない仕事内容の場合でも、同じ姿勢で長時間立ちっぱなしでいることで脊椎(背骨)は垂直方向の負荷を受け続けるためにダメージが蓄積されます。
身体の軸である脊椎が痛めつけられることで、無意識のうちに庇うような動作や姿勢の変化が身体を歪ませ(姿勢が悪くなり)ます。
悪い姿勢は身体のバランスもとり辛い状態で、ただ単に立っているだけのつもりでも、不安定な姿勢を制御するために無意識に腰や上体でバランスを取っています。特に下半身の背中側の筋肉は常に緊張した状態で、中でも主に真っ直ぐ立つ時に使うお尻の外側の「中殿筋」に多くの負担がかかりすぎることで、周辺の筋肉も硬直して腰痛の原因になるのです。
立ち仕事をされている方の多くに「左右のどちらかの肩が下がって」、または「左右のどちらかに傾いて」立っている方を見受けます。立ち方の癖などで身体のバランスが崩れている状態です。親しい方に背中から観察してもらってください。「左右どちらか…」だったら要注意です。
肩こりにも悩まされる
肩こりも立ち仕事をしている方の多くが感じている悩みです。
デスクワーカーによくあるパソコンを見続けることからの眼精疲労から来る肩こりとは大きく異なり、立ち仕事による肩こりの原因は、腰痛と同じく悪い姿勢にあります。
立ち仕事で集中している時は、立っている分手元や足元を見下ろすことになり、目線を下げるため自然に顔と頭はうつむき加減に。
人の頭はボーリングの球と同じくらい、4~5kg程度もの重さがあり、うつむき加減で傾いている頭の荷重を首と肩で、しかも姿勢に大きな変化のないまま長時間支え続けるのですから、1日の終わりに溜まってしまうダメージは相当なもの。
立ち仕事で足の裏、足の指が痛い…は要注意
立ち仕事に慣れている方でも何かの拍子に、時々、または慢性的に足の裏や足指に痛みを感じるようになることがあります。
足裏と足指に痛みを感じる直接的な原因は、主に「靴が足に合っていない」「硬すぎる床」「足の疾患」などが挙げられますが、いつもの靴でいつも通りの立ち仕事をされている方が、突然、または時々、あるいは頻繁に足裏、または足指に痛みを感じるようになったら要注意、何らか足の疾患が始まっている可能性大!
痛みは足からのSOSです。これまでほとんど感じることの無かった痛みを感じるようになったのは、足の裏の筋肉と腱の衰え、足形の変形、体重の増減や姿勢などの身体的な変化による影響、または劣化や靴下との相性、履き方など靴に問題があるかも知れません。
足の裏や足の指の、痛みを感じる場所で足または足指の疾患はある程度特定できます。毎日立ち仕事をされている方は足に大きな負担をかけ続けていますから、下記リンクを参照して原因と疾患を特定してできるだけ早目に対処したいものです。
立ち仕事での身体の悩みを予防、改善する
長時間の立ち仕事が原因での疲労感やだるさ、腰痛や肩こり、足裏や足指の痛みなどを予防するために、先ずは以下のような簡単にできることから始めてみましょう。
疲れない立ち方「真っすぐに立つ」
身体に表れる不調の元凶は姿勢の悪さ、身体のバランスの崩れにあると言っても過言ではありません。
先ずは後頭部・肩・お尻・踵を壁に付けて立ってみてください。指2本分ほど前進して自然に立ってみて、後頭部・肩が壁に付き、お尻と壁の間に手がすっと入る状態が「真っすぐ」に立っている、身体の荷重の前後バランスの良い理想的な姿勢です。
お尻が離れ過ぎている場合は、胸の張りすぎで反り腰気味、骨盤が前に倒れていて脊椎のS字カーブも異常、腰に大きな負担がかかっています。
後頭部が付かないなら、猫背気味で前後のバランスが悪く、前足部で荷重を多く受け止めているため、足裏の痛みや痺れ、下腿のだるさを感じやすくなります。
姿勢を正して「真っすぐに立つ」
肩幅位に足を開いて自然に立つと、左右どちらかの肩が下がっていないか、肩や腰、膝の左右いずれかがやや前に出ていないか(身体が捩れている)、頭が両足の中心からズレていないか、の3点をチェックしてみましょう。
もしもいずれかに該当するなら、身体のバランスが崩れている可能性大(姿見を使って自身で見ることもできなくはないかもしれませんが、誰かに見てもらう方が手っ取り早くて客観的です)。
癖、または仕事に係わる可能性も大いにあります。いつも同じ方の肩でバッグを担いていたり、同じ足組をしているなら時々左右を逆にする、時々バンザイや、逆向きに身体を捻るなど、日常の中で工夫して僅かでも矯正しましょう。
ストレッチや軽い運動を
疲労感や腰痛、肩こりなどの原因は筋肉の硬直にあります。始業前、休憩時間、終業後、できるならトイレに行く際などの僅かな時間にも「気になる部位」と「足と脚」を伸ばしたり捻ったり。
本格的なストレッチや大げさな運動である必要はありません。こっそり、目立たない程度の軽い運動であっても、結果は大きく違いますよ。
厚着のススメ
身体は冷えると血行が悪くなり、筋肉は硬直するため疲労か過度に蓄積します。また代謝も衰えますから疲労の回復も遅れがちに。理想は汗ばむ位暖かく、ですが勝手に室温を上げる訳にも行きませんので「厚着」をお勧めします。
特に足元が冷たい職場であれば足~膝を中心に、肩こりや腰痛などにお悩みの場合は、工夫してそれぞれ暖かい状態にしてやることで緩和される可能性が大いにあります。
着圧タイプの靴下を着用する
足と脚が浮腫んだり、だるい感じになるのは足~下腿の血行不良に原因があります。ふくらはぎの下くらいまで長さのあるコンプレッションウェア・着圧タイプの靴下を着用、足~ふくらはぎの下あたりの表面を圧迫してやること血流が良くなり、血液が足に留まりがちな状態を改善できます。
足の血流が良くなることで疲労感はもちろん、浮腫みや冷えにも効果が期待できます。
靴の履き方を変える
足の裏と足の指に感じる痛みの大部分は、靴と靴の履き方に原因があること、それらの痛みは何らか足の疾患の始まりであることは「足の裏が痛い…」と「足の指が痛い…」にも記載しました。
足と足指のトラブルを未然に防ぐには「良い靴の条件・選び方」が重要になるのですが、職場での立ち仕事となると、靴は「指定」または「支給」であることも多く、また、アパレル系など見た目を重視される方も「足に良いから…」と言うだけで靴を選ぶことはできませんが、靴の履き方や靴下は工夫することはできそうです。
痛みを感じる場所、履いている靴、床面や歩行の有無など立ち仕事の環境と状況次第で予防方法、改善策は異なりますので、ここでは一般的な改善策に留めますが…
- 靴が大きすぎることが原因(指先が当たる・タコ・擦れなど)
→靴紐・ベルクロをしっかり締める
→中敷を追加して調整
→綿などの滑りにくい素材の靴下を着用
→次回は1サイズ小さいものを - 前足部(指の付け根)が痛い、痺れる
→土踏まずを締める着圧靴下を着用
→立体形状の中敷で改善を図る - 土踏まずが痛い(扁平足またはハイアーチの疑い)
→靴紐・ベルクロをしっかり締める
→土踏まずを締める着圧靴下を着用
→立体形状の中敷で改善を図る - 外反母趾が痛い(前滑り)
→靴紐・ベルクロをしっかり締める
→土踏まずを締める着圧靴下を着用
→前滑りを防ぐ中敷を入れる
安全靴・厨房靴・ナースシューズ・パンプス・ビジネスシューズなど、近いうちにそれぞれ靴の種類ごとに、より具体的な予防・改善策について記事にして行きます。
パンプス
安全靴
厨房靴
オーダーメイドインソールで立ち仕事の悩みを解消
身体のバランスが崩れ、体幹がブレることで発症しやすくなる立ち仕事での足の疲れ・だるさ・腰痛・肩こり。立ち仕事の際に履いている靴が足裏と足指の痛みに直結している可能性も大。
そこでお勧めしたいのが、既製品の中敷とは違う、ひとり一人の足の裏にピッタリ合うように成型する「オーダーメイドインソール」です。
普段は地面に接していない土踏まずを下支えし、衰えている足裏の筋肉を補うことで足の裏全体で荷重を受け止めることができるため、足裏の筋肉の不必要な緊張・硬直を解放、立つために必要な足裏アーチの機能を補うことで身体バランスが良くなり、足~脚の筋肉の不必要な緊張も解消します。
また、筋肉と腱が足の裏~ふくらはぎ~ふともも~腰~背中~肩~首まで、背中側を繋ぎ連動しているため、足の疲れ、筋肉の緊張は背中側のすべての筋肉を緊張させてしまいますが、足裏の筋肉を補うことで疲れを改善し、身体バランスの改善と合わせて、腰痛や肩こりはもちろん、全身の疲れを軽減させる効果も大きく期待できます。
ひとり一人の足の裏にピッタリ合わせて熱成型し、仕事靴の中でインソールが動かないように加工しますから、フィット感抜群の立体的な形状と合わせ、靴の中で足がズレている、足が暴れていることに多くの原因がある足裏と足指の痛みの解消にも効果があります。
仕事靴を持ってお越しください。
今お履きの仕事靴にオーダーメイドインソールを使ってみませんか?
先ずはお悩みを伺い、仕事用の靴を拝見しながら問題点を探り、改善策のカウンセリングとインソールの効用説明と試着体験。お急ぎでも30分、じっくり納得したい方には1時間ほどの時間をかけてお悩み改善のお手伝いをさせていただきます。
1足(両足)で15,400円~17,600円と少しお値段は張りますが、これまで延べ15万足以上の実績と経験、効果には自信があります。
カウンセリングや試着体験だけ、購入されないならもちろん無料です。お気軽にご来店ください~
2023年3月20日をもって閉店いたしました。