足の指が痛い…場所と痛みで原因を判別
靴が足に合っていない場合や、スポーツなどの激しい動きで足の指に痛みを感じることは時折あれど、日常の生活の中で足の指に痛みを感じることはほとんどないはず…。
ですが、毎日ずっとではなくて何かの拍子、時々であっても、足の指や指の付け根あたりにピリピリ・ズキズキ・ジンジンと痛を感じるとなると、原因が分からず何だか少し不安ですね…
その痛み、足の指の何処が、どんな感じで痛むのかによって、足指のトラブルを特定できるんです!
足裏に感じる痛みは「足の裏が痛い…場所と痛みで原因を判別」を参照ください。
足の指のどこが痛いのか
足の指と前足部に感じる痛みの場所と症状(ページ内リンク)
①親指の付け根の側面:外反母趾
親指(母趾)が外側へ曲がる(外反)外反母趾。外反母趾が原因で生じる痛みは、主に3通りあります。
親指の付け根の側面がヒリヒリ痛い
突出した親指の側面が靴の中で擦れることで、表面は赤く腫れ、擦れる痛みを感じています。親指の付け根の側面がジンジンと痛む
突出した親指の付け根の関節に炎症(滑液包炎)が起こっているため、靴と擦れたり圧迫があると痺れるような痛みを感じています。炎症は収まったり痛んだりを繰り返します。- 親指の関節を曲げるとピリピリ痛い、親指が痺れる
外反母趾の進行が進むと、関節が大きくずれてしまい、親指を曲げ伸ばしをするだけで痛みを感じ、さらに関節が固まってしまうと、日常的に痺れを感じることも。
擦れてヒリヒリ痛いからと、大き目、ユルユルの靴を履くのは全くの逆効果。
外反母趾になる、変形が進行してしまう原因と改善方法などについて詳しくは「外反母趾の痛みを改善・原因は靴と歩き方」「改善を期待できる足や靴の悩み・症状 」を参照ください。
痛みが強い場合は、医師による治療をお勧めします。
②小指の付け根の側面:内反小趾
小指(小趾)が内側へ曲がる(内反)内反小趾。内反小趾が原因で痛みを感じることは稀ですが、主に2通りの痛みがあります。
小指の付け根の側面、小指の側面がヒリヒリ、ジンジンと痛む
前足部が幅広になってしまったことで、靴中で擦れる、圧迫されるなどにより痛みや痺れを感じています。小指の付け根の側面がジンジンと痛む
突出した小指の付け根の関節に炎症(滑液包炎)が起こっているため、靴と擦れたり圧迫があると痺れるような痛みを感じています。炎症は収まったり痛んだりを繰り返します。
足の幅が広がってしまったことでルーズな靴を履くようになり、靴の中で足が前後左右にズレて小指と小指の側面が靴に擦れたり圧迫されたり。内反小趾について詳しくは「内反小趾は外反母趾より多い足の変形」「改善を期待できる足や靴の悩み・症状 」を参照ください。
③親指の付け根:強剛母趾
親指を上に反らすと親指の付け根にズキズキと強い痛みを感じる、付け根の関節を押さえたり靴の甲部が当たるとピリッと痛む強剛母趾。
足の親指の指先から2番目の関節の軟骨がすり減り、関節の隙間がなくなり動きが悪くなることで痛みを生じ、歩行時の踏み返し・蹴り出しの際の親指が上に反る状態に強い痛みを感じます。
関節に骨棘(こつきょく)という骨のトゲのようなものができることがあり、骨棘が靴の甲に当たって痛みを感じることも多く、親指が上に反る状態の痛みと合わせ、歩くことが困難になってしまう場合も。
外反母趾による痛みと間違われがちですが、強剛母趾の場合は親指を上に反らした時に痛みを感じます(外反母趾の場合はどの方向へ反らしても痛みます)。
原因や対処方について詳しくは「強剛母趾 足の親指のつけ根が痛い」を参照ください。
④中指の付け根がズキズキ:フライバーグ病(第2ケーラー病)
歩く時の蹴り出しの際など、前足部に荷重がかかるとズキズキ、ジンジンとした疼痛・圧痛を感じるフライバーグ病(第2ケーラー病)。
人差し指によく見られ、足に合っていない靴やヒール靴、靴底の薄い靴などを履いているなど、繰り返し圧力がかかることによって、足の骨の一部が壊死(細胞が死ぬこと)して痛みと腫れを伴う、青春期の女子以外ではあまり見られない病気です。
軽度のうちは安静にしておくだけで改善されることも多いのですが、痛みを避けた歩き方が身体バランスを崩すことで、慢性的な疲労や腰痛など様々な体調不良へ繋がる、進行すると足の変形を助長してしまいます。
フライバーグ病は中足骨疲労骨折やリウマチ性関節炎、中足骨骨頭痛、モートン病とも痛む場所や症状が似ているため素人判断は禁物。フライバーグ病が心配な方は、早目に整形外科を受診してください。
資料:MSD マニュアル プロフェッショナル版「フライバーグ病」、MEDLEY「フライバーグ病(第2ケーラー病)の基礎知識」
⑤足指の間やつけ根がピリピリ:モートン病
足の指に通っている神経がコブ状に腫れ、歩くなどの動作の際に神経が刺激されることでピリピリ・ズキズキ、刺すような・灼けつくような神経性の痛みを感じるモートン病(モートン神経種)。痛みは強いことも少なくなく、下腿まで及ぶこともある神経障害です。
靴の中で足指が縮こまってしまうような小さい靴や、逆に大きすぎて歩く度に靴の中で足が滑ってズレる靴を履いている、または、つま先立ちに似た足先の状態が長時間続くなど、足の神経を圧迫し続けることが主な原因で、患部に痛みを感じやすいコブ状の神経腫(仮性神経腫・神経細胞の塊)ができます。
足の中指と薬指の付け根の間が患部になることが多い理由は、中指と薬指の間で合流する太い神経が圧迫されやすい、足の横アーチが崩れているため歩き方に癖があり、身体の荷重が足の真ん中あたりに寄りやすいことになどよります。
原因や対処方について詳しくは「モートン病 足がピリピリ痛い」を参照ください。
⑥親指の付け根あたりが小石を踏んでいるよう…:種子骨炎(種子骨障害)
靴の中の親指の付け根あたりにある小石を踏んでいるような痛み。
種子骨とは足裏の親指の付け根に2つある半月状の骨で、強く足を踏み込んだり、ジャンプなどの過度な着地の衝撃なとを伴うバスケット・陸上・サッカー・剣道・柔道など、踏み込みに大きな負荷がかかるスポーツで起きやすいとされていて、種子骨が地面へ強く打ち付けられることで周囲に炎症を起こし痛みを感じます。
底の薄い靴や踵の高い靴、大きすぎる靴を履いている、浮き指が多い場合なども、種子骨への負荷が高まるために軽度の熱感、腫脹することで痛みを感じることがあります。
種子骨は土踏まずを形成する足底腱膜が繋がっているため、ハイアーチ(甲高)の足の場合には種子骨が骨折することも多く、この場合は中等度の腫脹、場合によっては炎症を伴います。
資料:MSD マニュアル プロフェッショナル版「種子骨炎(sesamoiditis)」
⑦中指の付け根あたりがジンジンと痛む:中足骨骨頭痛
足の甲にあたる部位の骨・中足骨と、足指の骨との大きな関節部分に多くの荷重、強い圧力を受けることでジンジンと痺れるような痛みを感じる中足骨骨頭痛。
普段履いている靴(または姿勢)と、足裏の筋肉の衰え、またはその両方により、前足部分への荷重が過多となっていることがが原因。前足部・中指の付け根付近が炎症を起こしている、または神経が圧迫されている状態が痛みとなって現れます。
この部分にタコや魚の目が出来ている方も多く、タコが痛いと勘違いされている場合も多々。
原因や対処方について詳しくは「足の中指の付け根が痛い…中足骨骨頭痛を改善」を参照ください。
⑧指先の爪が喰い込んでズキズキ:巻き爪
足の爪の端が皮膚に食い込むように内側に巻き込んでしまい、歩くたびにズキスギと痛みを感じる巻き爪。
進行してしまうと何もしていなくても痛みを感じ、さらには食い込んだ爪が皮膚に突き刺ささり、炎症を起こす…こうなると嵌入爪(かんにゅうそう)という足の疾病になります。
痛みは感じないが爪が分厚く、爪の色が黄色や黒っぽくなったり、表面がデコボコだったりするのは肥厚爪(ひこうづめ、ひこうそう)と言い、いずれも足に合っていない靴を履いている、ペタペタ歩きなどが原因です。
原因、対処方について詳しくは「巻き爪は女性30.3%の悩み」、「肥厚爪 ぶ厚い足爪の悩み…」を参照ください。
その他疾病:痛風
中年期の男性と閉経後の女性に多く発生する、突然なひどい疼痛、赤みを帯びて熱を持って腫れ上がる痛風。
最初は突然発作のように足の親指の付け根の関節のみに発症することが多く、痛みは次第に耐えがたいほどに強くなり、関節を動かしたり、関節に触れたときに酷く痛み、時には発熱・悪寒・倦怠感を伴います。
症状は徐々に消え関節の機能も回復、次の発作までは無症状ですが、放置すると発作の頻度も増し持続時間が長くなり、複数の関節が侵されるようになります。発作が繰り返されると重症化するとともに慢性的になり、足指の関節が変形してしまうこともあります。
最初の発作に襲われたら、とにかく早目に内科を受診しましょう。
足指の痛みというより、痛風は遺伝、または生活習慣による病です。
資料:MSD マニュアル 家庭版「痛風」
その他疾病:関節リウマチ
関節リウマチは人種や出身国にかかわらず人口の約1%にみられ、女性には男性の2~3倍多く発生します。通常は35~50歳で発症しますが、どの年齢層でも起こる可能性があります。
全身の関節のうち、手や足の小さな関節数か所に鈍い痛みを感じたり、朝起きた時や暫く動かないでいると手足にこわばりがあったり、関節が動かしにくくなることで全身の倦怠感を覚えたりします。
関節リウマチ原因は自己免疫疾患であると考えられていますが正確には判っていません。放置すると痛みは増し、骨や関節の変形を伴います。リュウマチが疑われる場合、先ずはかかりつけの医師に相談、または専門のリウマチ科を受診しましょう。
資料:日本整形外科学会「関節リウマチ」、 MSD マニュアル 家庭版「関節リウマチ」
痛みを避けることは悪循環
痛いところを庇った歩き方が身体のバランスを崩し、無意識のうちに肩や腰、膝などで姿勢を保とうと筋力を使うことで、慢性的な疲労や腰痛・肩こりなど様々な体調不良へ繋がって行きます。
足指に感じる痛みの大部分は「炎症」によるものですので、痛みそのものは安静にしていればおおよそ治まります。しかし、その原因を改善しなければ、再発どころか、さらに悪化してしまうことは明白です。
ポイントは「足に合った靴」を「正しく履いて」、痛みの原因を改善するための「姿勢と歩き方」の実践を続けること。
足指や前足部に痛みを感じている方、ご相談だけなら無料です。どうぞお気軽にご来店ください。
2023年3月20日をもって閉店いたしました。