靴底の減り方で分かる!歩き方の癖と足のトラブル
自分自身がどんな歩き方をしているのか、自身の歩き方の癖に気付いている人はほとんどいないでしょう。
身体の全てを支えている、言わば足は身体の土台。歩き方の悪い癖や良くない姿勢を長年続けてしまうと、足や身体に様々な悪影響を及ぼし、様々なトラブルに繋がります。
靴底の減り方を観察する
あなたの歩き方の癖や姿勢は、靴底のすり減り方に現れます。
言い換えると、靴底のすり減り方を観察すれば、あなたの近い将来に起こるであろう足や身体のトラブルについて、ある程度の見当がつきます。
先ずは靴底の減り方をじっくり観察。以下7の7パターンに一致、または最も近いと思われる靴底のすり減り方から、自分自身の歩き方や姿勢の癖などを知ることができます。
良くない部分を改めた正しい姿勢や歩き方に改善して、将来心配なトラブルを予防しましょう(観察対象の靴はスニーカータイプが望ましい)。
あなたの靴底の主にすり減っている場所は
踵の外側とつま先の内側がすり減っている
踵のやや外側と、つま先の内側がすり減っているのであれば、ある程度正しく歩けています。
人の歩行動作は、踵の少し外側から着地し、小指の付け根側へ重心が移動、土踏まずが潰れることで足首が内向きに捻じれることで親指の付け根付近に荷重が移動し、最後に親指側のつま先で地面を蹴り出す、といった動きをします。
シンプルに言い直すと、膝が伸びた状態で踵から着地することで姿勢や身体バランスが良く、足の裏全体で重心を移しながら歩けています。
但し、生活習慣による体重の増加や加齢など、自身が意図しなくとも身体のバランスや筋肉の衰えなどから、歩き方は変わって行きます。油断は禁物です。
つま先だけすり減っている
膝が伸びていないため歩幅の狭いつま先歩き。日常的にヒール靴を履く人に多く見られるすり減り方です。
膝が伸びていない状態で中指の付け根付近で着地、足の裏での重心移動も少なく、無意識にバランスを取ろうとして姿勢が猫背気味になることが多く、ペタペタと歩いているでしょう。
歩き方を改善するには
「姿勢を正すためにも視線を遠くに取り、つま先をしっかり上げて膝を伸ばして踵から着地」を意識して歩きましょう。
自然に歩幅がやや大きくなり、足の裏ではしっかり重心が移動できるようになります。最後に足指で蹴り出すことができるようになることで、先のリスクの解消が見込めるだけでなく、見た目にも美しい歩き方になります。
足指の付け根付近だけすり減っている
大き目の靴を靴紐を締めずにルーズに履いている人によく見られるすり減り方です。酷い表現をするとズルズル、ペタペタとだらしない感じの歩き方。
膝が曲がった状態で足の裏全体で着地するため姿勢はやや前荷重の猫背気味になりがち、足裏での荷重の移動も少なく、指先での蹴り出しも出来ていないため、膝や股関節を捻って歩く癖、または膝が外向きに開いた歩き方をしているでしょう。
- 靴の中で足が滑っている
大きすぎる靴を靴紐を締めずにルーズに履いているのであれば、靴の中で足が動くことを無意識に嫌って、指が靴を掴むような動きをすることで「ハンマートゥ」の、足裏筋肉の緊張が続くことで「足底筋膜炎」などのリスクが高まります。 - 足裏の前足部の負担が過多
指の付け根あたりに痺れるような痛みを感じる「中足骨骨頭痛」、足の幅が広がる「開張足」からの「外反母趾」や「内反小趾」が心配されます。
また、足指(特に親指)に荷重がかかっていないため「巻き爪」に悩まされる可能性もあります。 - 膝への負担が過多
膝が曲がった状態で着地、膝や股関節を捻って歩く癖は、将来的に「変形性ひざ関節症」を引き起こす原因に、また、膝が曲がった状態で外向きに出ることで「O脚」の進行が心配されます。 - 猫背気味
頭を支えるために首・肩・背中の筋肉の緊張状態が続くため、慢性的な肩こりや頭痛に悩まされる可能性が高まります。
歩き方を改善するには
「正しいサイズ・ワイズの靴を、靴紐をしっかり締めて履く」こと。また、姿勢を正すためにも視線を遠くに取り、つま先をしっかり上げて膝を伸ばして踵から着地を意識して歩きましょう。
自然に足指と足裏に力を込める癖は解消され、歩幅も大きくスタスタとスマートな歩き方になることで、荷重の移動が上手くできるようになり、先のリスクの解消が見込めます。
靴の踵だけすり減っている
大き目の靴を靴紐を締めずにルーズに履いている人によく見られるすり減り方で、身体が起きた状態で足だけを前に出すような歩き方。ビーチサンダルやスリッパでの歩行時にもよく見られます。
足を前に振り出す際に踵を擦っているため踵だけがすり減り、足裏での荷重の移動も少なく、指先での蹴り出しも出来ていないため、それ以外の部分はほとんどすり減りません。
姿勢や身体のバランス的に大きな問題はありませんが、足指に体重が乗らないために「巻き爪」になり易く、足に合っていない靴は、様々なリスクを伴います。
歩き方を改善するには
「正しいサイズ・ワイズの靴を、靴紐をしっかり締めて履く」こと。また、姿勢を正すためにも視線を遠くに取り、つま先をしっかり上げて膝を伸ばして踵から着地を意識して歩きましょう。
自然に足指と足裏に力を込める癖は解消され、歩幅も大きくスタスタとスマートな歩き方になることで、荷重の移動が上手くできるようになり、先のリスクの解消が見込めます。
靴の外側だけすり減っている
靴底の外側、踵から小指の付け根かけてすり減るのはO脚の人、またはつま先を開いて歩く外また歩き(俗にいう「ガニ股」)の癖を持つ人に多く見られます。
外また歩きは、何らかの理由で身体の左右バランスが悪い人に多くみられ、無意識に左右バランスを保とうとつま先をハの字に開いています。
歩行時に膝が外向きに(つま先の方向へ)出てしまうため、足の振り出し時に靴底の外側を擦っているだけでなく、脚の外側の筋肉が発達するのでO脚が進行します。
既にO脚の人の場合は、足の外側だけで荷重が移動しているため、膝や股関節、骨盤などへの負担がかかりやすく、特に膝関節の内側への過多な負担は将来の「変形性膝関節症」が心配されます。
- O脚は進行する
外また歩きを続けると、または既にO脚が見られる方も、放置するとO脚は確実に進行します。O脚は膝痛に直結し易く注意が必要です。
歩き方を改善するには
外また歩きの癖がある人は、つま先を進行方向へ真っすぐに上げ、踵から着地するようにしましょう。膝が外へ突き出すことが無くなり、O脚の進行を防ぐことができます。
無意識のうちにどうしてもつま先がハの字に開いてしまうので、歩隔(ほかく:両足の踝と踝の間の幅)をやや広めに取ると安定します。
O脚は股関節や骨盤のゆがみが原因であることが多く、股関節まわの筋肉のバランスを整えてやることで進行を防ぐことができます。O脚がかなり進行(両足をピッタリ揃えた時に両膝の間の隙間が3cm程度以上)している人も同じ歩き方でO脚によるリスクの予防効果が見込めます。また、インソールを使用することで膝への負担を軽減することも有効です。
靴の内側だけすり減っている
靴底の内側、踵から親指の付け根にかけてすり減るのはX脚の人、またはつま先を内側に向けて歩く内また歩きの癖を持つ人に多く見られます。
- 内また歩きはやめましょう
百害あって一利なし。可愛いと感じている異性は少数派なのでは?自ら将来のリスクを背負うにはあまりにも不釣り合いなのでは…
- インソールでの自然療法が効果的
一般的に先天的な骨格異常で大きく進行しないとも言われるX脚と、踵の骨が倒れてしまうことで起こる外販扁平足。X脚による膝痛などの症状が表れた場合はもちろん、外販扁平足、扁平足も内側への荷重をインソールの使用で分散させてやることで一定の効果が見込めます。
左右が非対称にすり減っている
左右の靴底のすり減っている場所が違う、片足が異常にすり減っているなど、左右非対称にすり減っている場合は、歩き方の癖や靴が問題なのではなく、過去に骨折など大きな怪我をした場合や先天的など、左右の脚の長さが違うことが第一に疑われます。
極端に筋肉量に違いがある、利き足で強く踏ん張るなどの場合や、バッグを担いだり、足組などいつも同じ側で行う日常の行動や癖などで身体が歪んでいたとしても、靴底のすり減りが非対称、または片側だけになるといったことは起こりません。
歩き方云々という問題ではなく、片側の足に過度な負担がかかっている可能性があります。早目に整形外科をを受診することをお勧めします。
子供の場合
中学の頃から扁平足だった、外反母趾だった、と言われるお客様、足の悩みの相談に来られる中高生の親子連れも時々ご来店されます。
すぐにサイズが合わなくなるからという理由で大き目のサイズを履かせていませんか?
逆に小さすぎるサイズになっていませんか?
お下がりや貰い物の靴では?
子供の足は骨や関節が弱く、足に合っていない靴を履く事で、将来の悩みの種になってしまう可能性がとても高いことを理解しておきたいものです。
- すぐに靴底がすり減る
大きすぎるのでは?靴の踵に踵をしっかり入れて、指先に1cm位の空きがあるのが正しいサイズです。 - 靴底全体が摩耗してツルツル
激しい運動を繰り返す子供ですから当然ですが、土踏まずあたりまですり減るようなら、その靴は安価すぎる足によくない靴の可能性があります。靴底が固く、折り曲げると足指の付け根あたりだけが屈折するシャンク(踏まず芯)の入っている靴が理想です。 - お下がりや貰い物の靴
靴は消耗品です。靴メーカーの理屈で言うと「スニーカーなら寿命は500km程度」だそうです。見た目にはまだ履けそうでも、例えばクッション性は落ち、伸びたりして形状も変わり…意図した性能や機能は確実に劣化するという理由です。古い靴は機能に劣る、足に負担をかけてしまっていませんか? - 大人と同じく減り方に要注意
内側や外側など、極端なすり減り方をしているようなら要注意です。子供と足に理解のあるお医者さんを訪れてみることをお勧めします。
歩き方の癖の矯正には足に合った靴とインソール
足に合った靴を履くことが大切
ご自身の靴のサイズ(足長)、ワイズ(足囲・足幅)を測ってもらったことはありますか?
「XX.XcmのEEEがちょうどいい」なんて勝手に思い込んでいませんか?
玄関での脱ぎ履きが簡単にできるよう、締め付け感を嫌って、自分は幅広な足と思い込んで…当店へご来店になるお客様の多くが、大き目の靴を履いています。
いくら歩き方や姿勢を正しても、履いている靴が足に合っていないと、足や足指に必要以上の負担がかかります。また、無意識のうちに踏ん張っていたり、力を込めてしまっていたりすることで足の筋肉は常に緊張状態が続き、膝痛・腰痛・肩こり・慢性的な疲労感など、身体の様々な不調へ繋がります。
インソールの使用も効果的
歩き方の癖や悪い姿勢が続くと、自然に真っすぐ立っているつもりでも身体のどこかが捩れる、傾いているなど、身体バランスを崩します。
また、歩き方の癖や悪い姿勢を続けたことで身体を支える足の筋肉や腱、関節などが既に痛んでいる可能性も多々あります。
足の裏を支え、弱った筋や腱を補うことのできるオーダーメイドインソールを、足に合った靴と合わせて使用すると、足は正常な機能を取り戻す、身体のバランスが整うといった効果が期待できます。
お気軽にご来店ください。
正確な足のサイズ計測、最適な靴の提案、オーダーメイドインソールの製作、正しい姿勢と歩き方の指導まで。
時間をかけてお客様の歩き方の癖や悪い姿勢が原因で起こる足と身体のトラブルの予防・解消のお手伝いをいたします。
自身で調べる、工夫するなどアレコレ悩む前に、先ずはお気軽に当店へお越しください。お悩みと改善方法などのご相談、「足に合う靴」を見つけるための正確なサイズの計測は無料です♪
2023年3月20日をもって閉店いたしました。