かかとのすり減り 外側内側の片減りは要注意!

明らかに靴のかかとの外側または内側が大きく片減りしている…

靴底全体のすり減り方の様子から、歩き方の癖や姿勢などが見て取れること、そして、近い将来に悩まされるであろう足と身体のトラブルについては「靴底の減り方で分かる!歩き方の癖と足のトラブル」に記しました。

今回は靴底のすり減りの中で「かかと」に注目。
ひどく片減りした靴を履き続けると、深刻なトラブルに発展してしまうかも知れません…

 

靴のかかとのすり減り

靴のかかとは、やや外側寄りがすり減るのが理想です。

足の骨格に異常がなく、歩き方の強い癖やひどく悪い姿勢でなければ、靴のかかとはやや外側寄りがすり減ります。

なぜなら、人の骨格の構造と脚と足の歩行時に動きは、かかとのやや外側で着地するのが自然だからです。

逆に言い換えると、かかとの内側が減っている。または極端に外側がすり減っている。あるいは、靴のかかとが捻じれている、傾いているようであれば、足の骨格が乱れている証拠とも言えます。

そのため、ひどく靴底のかかと部分が片減りした靴、または靴のかかとが捻じれている、傾いている靴を履き続けると、足の骨格の乱れは急速に進行してしまいます。

そして、扁平足や外反母趾に代表される足形の変形、中足骨骨頭痛や足底筋膜炎など足裏の痛みなど、様々な足のトラブルに直結します。

また、着地時に足首が安定しないため、身体のバランスを保つことが難しくなることから、ひざ痛や腰痛などに悩まされるように…

かかとの片減りを分類

前述のように「外側寄りのすり減り」であれば特に問題はありません。(前足部やつま先など、靴底全体のすり減り具合は別として)

かかとの片減りで問題があるのは

のいずれか。

その原因と対策を見て行きましょう。

内側がすり減っている

内側の片減りで、最初に疑われるのはX脚。そして、次に疑わしいのはかかとの外反、過回内です。

かかとの内側の片減りは外反母趾、扁平足など、足の疾患に悩まされる可能性がとても高く、要注意です。

かかとの内側が片減り
かかとの内側が片減りすると、多くは真後ろから見ると靴全体が内向きに倒れている

X脚の場合

立って両足を揃えようとすると、内ももと膝が付いてしまって足が付かないX脚。

X脚は足または脚の問題ではなく股関節、あるいは骨盤あたりの骨格構造が主な原因です。

対処方

  • 姿勢を正す、多くはそり腰気味なはずなので腹筋を鍛える。
  • ややつま先を開いて歩くことで脚内外の筋肉バランスを整える。

などが有効です。

詳しくは「X脚を治して美脚に♪」、「猫背が扁平足の原因?!」を参照

かかとの外反、過回内

踵を後ろから観察すると足首が内側に倒れている状態を「かかとの外反」と言います。

立位ではそれ程で無くても、歩行時に似た状態になるのを「過回内(動的な扁平足)」と言います。

主な原因は足の骨格配列が乱れている、またはウエイト過多。

靴底が柔らかすぎる靴はかかとの外反、過回内を助長します。

かかとの外反、過回内をセルフチェック

自身の踵を後ろから見ることは出来ませんよね。誰かに手伝ってもらい画像に撮ると良いでしょう。

足を平行にして肩幅くらいに開いて立ち、真後ろから見ます(撮ります)。

踵の外反・内反のイメージ
いずれも右足、中央が正常な踵。左が外反している状態。両端程になると身体に様々なトラブルが発生する。(中央は親指の付け根が見えていますが、撮る角度次第で、小指が少し見えていても可。)

ふくらはぎに対し、踵はどのような状態でしょうか。

正常なかかとの状態は中央(黒線)。それより左側の感じなら、かかとが外反しています。

立位時には中央に近い状態でも、歩行時の踏み出した足が着地した後に足首が内側に倒れる、左側の状態になるなら、それは過回内という動きです。

いずれも土踏まずが潰れるため「外反扁平足」の状態であることは同じです。

多くの場合は歩行時に膝が内側へ入り(ニーイン)、指先は外側を向く(トゥアウト)ため、外反母趾に繋がります。

対処方

  • 土踏まずをサポートするインソールを使用する
  • 過回内をサポートする靴を履く
  • 靴底のかかとの面積が大きく、しっかり安定する靴を履く

などが有効です。

注意したいのは「角度を付けて傾きを矯正する」インソールを用いないこと。素人が下手に手出しすると悪化、または他の骨格配列を乱すなどの恐れがあります。

大きく外側が片減りしている

外側の片減りで、最初に疑われるのは歩き方の癖。そして、次に疑わしいのはO脚。稀にかかとの内反、過回外もあり得ます。

かかとの内側はほとんどすり減っていない状態を指します。

かかとの外側が片減りした靴
かかとの外側が片減りした靴。画像はそれほどひどい片減りではないものの、これほどすり減ってしまうと問題アリ。

歩き方の癖

つま先をハの字に開いて歩く外また歩き(俗にいう「ガニ股」)をしていませんか?

また、姿勢が悪い(多くは猫背)、やや小股で足を振り出した時に靴底の外側を擦っていませんか?

これらの歩き方の癖は、脚の外側の筋肉が発達するのでO脚が進行します。

詳しくは「靴の外側だけすり減っている」を参照

O脚の場合

立って両足を揃えると、両膝が付かないO脚。

O脚は足または脚の問題ではなく股関節、あるいは骨盤あたりの骨格構造が主な原因です。

対処方

  • 姿勢を正す、多くは猫背気味なはずなので殿筋を鍛える。
  • つま先を平行閉じて歩くことで脚内外の筋肉バランスを整える。

などが有効です。

詳しくは「O脚を治して腰痛・膝痛を解消、美脚に♪」、「猫背が扁平足の原因?!」を参照

かかとの内反、過回外

踵を後ろから観察すると足首が外側に倒れている状態を「かかとの内反」と言います。

立位ではそれ程で無くても、歩行時に似た状態になるのを「過回外」と言います。

いずれもかなり稀な症状ではあるものの、足の骨格配列が乱れていることが原因です。

捻挫を繰り返す人に多く見られます。

かかとの内反、過回外をセルフチェック

自身の踵を後ろから見ることは出来ませんよね。誰かに手伝ってもらい画像に撮ると良いでしょう。

足を平行にして肩幅くらいに開いて立ち、真後ろから見ます(撮ります)。

踵の外反・内反のイメージ
いずれも右足、中央が正常な踵。右が内反している状態。両端程になると身体に様々なトラブルが発生する。(中央は親指の付け根が見えていますが、撮る角度次第で、小指が少し見えていても可。)

正常なかかとの状態は中央(黒線)。それより右側の感じなら、かかとが内反しています。

立位時には中央に近い状態でも、歩行時の踏み出した足が着地した後に足首が外側に倒れる、右側の状態になるなら、それは過回外という動きです。

つま先をハの字に開いて歩きがちなため、脚の外側の筋肉が発達してO脚が進行します。

身体の左右バランスを保つことが難しく、無駄にお尻の筋肉でそれを補うため、慢性的な腰痛になりがちです。

対処方

  • 靴底が硬く、かかとの面積が大きなしっかり安定する靴を履く
  • 外側縦アーチをサポートするインソールを使用する

などが有効です。

注意したいのは「角度を付けて傾きを矯正する」インソールを用いないこと。素人が下手に手出しすると悪化、または他の骨格配列を乱すなどの恐れがあります。

ひどく片減りした靴は断捨離

靴のかかとの内側、または外側がひどく片減りしてしまった靴を履き続けてはいけません。

角度が付いてしまっているので、かかとの傾きを助長してしまいます。

また、足首が傾いた状態で着地するため身体バランスは乱れがち。膝や腰への負担が増します。

そもそも、足の動きをサポートできていない靴である可能性が高く、靴自体に癖がついてしまっているハズです。

例えかかとを修理しても、その靴では足の傾きを補うことができないでしょう。

お気に入りの靴だったとしても、です。自身の将来の為に断捨離しましょう。

 

片減り癖を改善

いつも靴のかかとの内側、または外側が大きく偏ってすり減ってしまうのは、足や脚の骨格の問題だったのです。

身体が歪んでいる、身体のバランスが乱れているとも言えます。

そして、それらは自然に解消してゆくことは無く、悪化の一途…

つまり、靴のかかとの片減りは足のトラブルに直結、体調不良の原因にもなり得るため、是非にも改善したいものです。

 

先ずは自身の靴が片減りしてしまう原因を見極めることが最重要。

そして、最適な靴とインソールで弱点を補う…と言われても、何がどうなのか、どうすべきなのかを知っている、分かるなら何の苦労も心配もありませんよね。

 

当店はオーダーメイドインソールの専門店、そして靴屋です。

あなたの片減り癖を改善するための靴とインソールを提供できます。

診断とカウンセリング、歩き方の指導などは無料です。

どうぞお気軽に、片減りした靴を持ってご来店ください。

2023年3月20日をもって閉店いたしました。